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さて。バラしてみっか!

RVFアッパーカウリング補修

RVFアッパーカウル補修_マスキング
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埼玉県久喜市の2輪中古買取販売《ハツミモータース》がお送りする、仕事だけではない、2スト大好きおじさんのブログ
『さて。ばらしてみっか!』です。
※マシンの販売だけでなく、カウリング補修/ブラスト処理も承ります。

前回のブログでカウルの部位について説明しましたので、(カウルの部位について説明をした「カウルについて」に記事はコチラ)さっそく、アッパーカウルの左ウインカー取付部を補修していきましょう!

この部分です。

アッパーカウル補修_部分解説

前回掲載しましたが、カウルを外していく工程の写真を撮り忘れているので、既にバラバラです。

毎回ホントすみません。

土下座

このRVF、納車(仕入れ)時に一緒に予備のアッパーカウルもついてきたのですが、その予備のアッパーカウルも、左フロントウインカーの取付け部が、前オーナーの「立ちごけ」により破損しています。

その予備カウルを確認しましたが、ちょっとこれ使うのは難しい感じです。

バッキリ割れちゃってますので、これなら今ついているほうを補修したほうが良いですね。

予備カウル
予備カウル 
RVF予備カウル破損部拡大
破損部の拡大

マシンに付いているアッパーカウルは、割れが無いだけで、ほぼ上の写真と同じような欠損具合でした。

下記の写真の青く塗ったところが欠落部分のイメージです。(これは破損のないほうを撮影した写真を反転させた写真です)
まあ、きれいに欠損してくれたので、治すのには助かりましたが・・・

RVFアッパーカウル

破損部の形成処理(前工程)

では、まずは折れ残った部分を削っていきます。

以前に失敗した経験から、削る周辺は必ずマスキングテープを貼っておきます。

リューターの回転はある程度までに抑えますが、それでも何かの拍子にはじかれて、

状態の良い部分を傷をつけないようにします。やっちゃったらホント落ち込みますからね。

落ち込む(イラスト)

段取り八分とはよく言ったものです。
下の写真のように割れ残った部分をきれいに削っていきます。
リューターで削りすぎないように、少しずつ。少しずつ。

RVFアッパーカウル補修_マスキング

ABS材の切り出し

それから各部の寸法を測りABS材(今回は厚さ3mm材)を切り出します。
こんな感じです。

ABS材切り出し

現物合わせ

ちょっと大きめに作って現物合わせしながら削っていきます。

私がヘタなのですが、いきなりドンピシャ寸法で作っても、ピッタリ合った試しがないので・・・
採寸方法の問題?・・・

切り出したABS材を現物に付けながら、削っちゃ合わせ、削っちゃ合わせを繰り返します。

ウインカー取付部、現物合わせで調整

実はこれ2個目なんです。
1個目は削っている途中に粉塵が鼻に入り、くしゃみをした瞬間、削りすぎて終了。
『ニィ~ジジジジジ・・・!』と捕まえようとしたセミが逃げるときのような音・・・トラウマになります。

今までの苦労が・・・マスクすればよかった・・・(泣)

セミ(蝉)ファイナルに驚く

溶剤の注入

微調整を繰り返し寸法が合ったら、仮固定して溶剤を注入していきます。

もし溶剤が垂れたりしたら、すぐにふき取ります。余計なところまで溶けていきますので要注意です。

溶剤注入

仮固定した状態で気温にもよりますが約10分待ちます。
この段階では、まだ溶剤とABS材は固着していません。(溶剤の説明書には接着は数分、使用は24時間後に。との記載があります)
溶剤とABS材が溶融しゲル状になっている状態です。

固定保持(本固定)

ここで固定保持(本固定)します。
表現がうまくできませんが、ここで圧力を加えることで、ゲルになったABS材が、隙間にウニュ!っと入り込む感じです。

そして再度溶剤を流し込み24時間保持します。

この本固定ですが、必ずちょっとしなるくらいの柔らかい金属板(今回は厚さ1.0mmの鉄ステー)を当て、保持します。ABS板を当てちゃうと一緒にくっついちゃいますからね。

なんでもそうですが作業する前にトライしておくことが重要です。
(失敗してるお前が言うな!という感じですが、かなりの確率で失敗を防ぎます)

補修部分の本固定

今回は端面がきれいで、カウル本体と、補修板が接地する面積が確保できているので削ったABSの粉を隙間に詰め込む作業(要は肉盛りですね)はしませんでした。

そして最後の工程になります。

塗装

最後は塗り工程なんですが、純正色を発注して塗るのですが、どうにも色が違うんですよね・・・
下地の色が違って・・・というのは分かるんですが、純正色の上に同じ純正色を塗っても・・・
なかなかうまくいきません。ここも経験積まないと駄目ですね・・・

この部分にはウインカーが付くので、見えない部分なのがせめてもの救いです。
強度的にはプラハン(プラスチックハンマー)で叩いても取れないので機能的に問題はないです

補修部分の塗装

さらにウインカーを付けてみて上下左右に動かしてみましたが、問題ありませんでした。 

右フロントウインカー取付部
ウインカー右側 正常な部分
左フロントウインカー取付部(今回補修)
ウインカー左側 今回治した部分
頭を抱える

微妙な色の違いが・・・ホントに難しい・・

そしてRVF400のアッパーカウル補修完了となりました。

整備士男性のイラスト

お知らせ?

今現在、筑波選手権 カテゴリーTC400クラス参戦用のSV650を修理してます。
今期の第4戦に初出場したのですが、予選3週目で駆動系のトラブルをおこし決勝には出場できませんでした。
ホンと悔しい・・・現在エンジン全バラ中。

SV650のエンジン
SV650のエンジン

先にブログで紹介したTZR250R(3XV)、手つかずのTZR250(3MA)とR1Z(3XC)、さらに新たに入荷したRZR250(29L)など、どんどん作業を進めていきますので、よろしくお願いします。

どうしたもんかね「つづく」