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さて。バラしてみっか!

SV650S2024年筑波ロードレース選手権第1戦 1

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埼玉県久喜市の2輪中古買取販売《ハツミモータース》がお送りする、仕事だけではない、2スト大好きおじさんのブログ
『さて。ばらしてみっか!』です。
※マシンの販売だけでなく、カウリング補修/ブラスト処理も承ります。

出るぞ!2024年筑波ロードレース選手権

友人Hさん、SV650S でエントリーしたものの、不慮のエンジントラブルでリタイヤを余儀なくされた
2023年筑波ロードレース選手権 第4戦。

2023年筑波ロードレース選手権 第4戦の時の写真

その後、SV650S はエンジンを全部バラし、徹底的にゼロから治療(修理)。
その治療の時も幾多の困難はあったものの、
2024年2月4日にようやく治療完了。

2024年筑波ロードレース選手権へのエントリーにも間に合いました!

練習走行

…とはいえ、
筑波選手権までは、もう1ヶ月しかありません。

Hさんと練習走行できる日程を探しまくります。
選手権が近いこともあり2月中の土日は既に前月予約でかなりいっぱいですが、空き日を探します。

calender_full

そして、ようやく空き枠を取ることができました。
2/10(土)のA枠2本です。

pose_anshin_man

筑波サーキットの練習走行枠は、大きくファミリー走行スポーツ走行に分かれます。

また、走行基準タイムや、車両によってもクラス分けされています。
Hさんが走るのは、スポーツ走行の方です。

ファミリー走行、スポーツ走行についての詳細は下記リンク先をご覧ください。

練習走行日当日、この日はGSX-R1000乗りの友人Fさんも走行する日だったので、私はFさんに筑波サーキットまで同乗させてもらいました。

GSX-R1000R-2
FさんのGSX-R1000

筑波サーキットは、やはりパドック内には沢山の人で賑わい、適度な緊張感の中、エンジンサウンド、排気ガスの匂いの混ざった、熱気を帯びた独特の雰囲気が漂っています。

モータースポーツを楽しむ為だけの世界、この雰囲気、好きです。

そしてHさんには、走行前に念押しの釘刺し

110_釘をさす
ゴリラだけにバナナで釘刺し

:『今日は2本とも慣らしです。6千回転以上回しては絶対駄目!!

…と。

Hさん:『はい。大丈夫です!絶対回しません!』

走れる事の嬉しさ混じりの笑顔で答えるHさん。
そしていよいよ走行です。

Hさんの慣らし走行スタート

Hさん。慣らし走行中のサインを表すピンク色のベストを着て走行します。
この場合、常に体を起こし常にコースの右側を走るのがルールです。

慣らし走行の目印ピンクのベストを着て

よしよし・・・言った通りちゃんと慣らししてるね(笑)

話す

慣らし走行1本目終了

Hさん。1本目が終了し、戻ってきました。

:『どお?違和感とかなかった?』

Hさん:『はい。無いです。でもある程度回さないと分からないですね・・・』

:『うん。じゃあ次はレッドゾーン入れなければ良いよ!まあ1万回転まで』

Hさん:『え?良いんですか回して?今日は慣らしじゃ・・・?』っと不思議そうな顔

question_head_boy

:『うん。慣らしだよ。でも大丈夫。そこまで回して良いよ。ただし、レッドには入れないでね!』

Hさん:『はい。分かりました!』と嬉しそうな顔

ゴリラ(顔)
嬉しそう♪

実は…

通常、サーキットでの慣らし走行は、最低でも4~5本程度と言われています。
25分の走行枠であれば、合計125分です。

実は私、その倍の時間以上、作業場でエンジンを回していたんです。

tehepero1_boy

メーカー出荷時の新車は、始動確認や検査等でエンジンをかけていますので、ある程度のエンジン始動(コンロッドメタル部分が可動する)はしています。

しかし今回のエンジン治療は、コンロッドメタルを替えただけとはいえ、そのメーカー出荷時以前の状態なので、新品コンロッドメタルを慣らすために私がしばらく預かってエンジン始動、暖機を繰り返しました。

長時間の暖機は良くないので扇風機で風を送ります。

公道は走れないので、ちょっとだけでも走行時と近い状態を作るためです。

1日1時間以上 x 5日間、アイドリング状態から始めて5日目には1万回転まで回してみたり。
サーキット走行のような回転の急激な負荷も複数回・・・

ご近所さんのご迷惑にならない程度にですが・・・

その間、ずっと外で雪が降ったりして寒かった・・・

sick_samuke

選手権も近いし、レース以外のこういった負担はライダーにはかけたくないのです。

その分、イメトレなどに費やしてほしいから・・・

慣らし運転2本目終了

2本目の慣らしが終了し、Hさんが戻ってきました。

:『どお?違和感とかある?』
Hさん:『いえ。エンジンには違和感ありません。大丈夫です。でも実際に攻めてみないと挙動とかは分からないですね。』

:『まあ、そらそ~だ!今日はあくまでも慣らしだからね(笑)次回だね!』

多少走行で負荷をかけた状態の実走行でも問題はありません。良かった!!

105_GOOD

ただ、Hさん。オフィシャルの方に注意されたそうです。

ピンクのベストを着たまま直線で伏せちゃったんですね・・・(笑)

pop_chuui

先述した通り、『慣らし走行』のライダーピンクのベストを着用し、コースの右側を走って、体は常に起こしておかなければならないのに、Hさん、嬉しさのあまり、そのルールを忘れてしまっていたようです。

ごめん。野ゴリ・・・俺もピンクのベスト着たままなの気が付かなかった・・・(笑)
野生のゴリラ。ココではHさんのこと)

後は練習あるのみ!

これでマシンは安心、後は練習あるのみ・・・
だったのですが・・・2月は予約可能枠があまり無かったのと降雨、降雪等により本番前に、まともに走れた回数は5本のみ・・・

今回、吸排気系のチューニングは日程的に間に合わなかったので、足回りのチューニングのみ。

「足回りのチューニングのみ」と聞くと、レース出場に対する対策としてはなんとも少ない対策という印象を受けるかもしれませんが、レースの為のマシンはとてもデリケートなもの。
たったそれだけの変更でもマシンの加減速性能及び挙動は大幅に変わってしまうのです。
なので、足回りのチューニングを変えただけであっても、大きく挙動の変わったマシンに、Hさんが慣れる時間が欲しかったのです・・・

しかし、流石は野ゴリ!
野生の感性で仕様変更にも慣れていき、最終的には1分6秒台前半までタイムを上げてきました。
野生のゴリラ。ココではHさんのこと)

animal_gorilla_drumming

私は、『よし。これなら行ける!』っと確信しました。

105_GOOD

そして天気

あとは当日の好天を願うのみ。春先なので降雨、強風が心配です。

選手権前日の金曜日、晴れてはいたのですが前日夜から降った雪の影響で路面はウエット
この日の午前中は『特スポ』という選手権参加者だけの練習枠が有りましたが、走るのは止め夕刻のスタート練習のみ行いました。

さて、明日は本番です。

作業場に戻り、軽トラに工具やレインタイヤ、スペアタイヤ等を積み込み
20:00過ぎに家路につきます・・・って。
げ!マジ??雨降ってる~!!(泣)

car_kei_truck

明日は間違いなくウエットだ・・・

タイヤ交換とか忙しくなるな・・・早めに準備して選択判断しないとならん・・・

対筑波選手権セッティング

腕組んだ初見サン

エンジンの治療(修理)と共に、筑波選手権出場の為のセッティングは以下になります。

  • ブレーキキャリパーの4POT化
  • フロントサスペンションのスプリングレート変更&サスペンションオイル硬度up
  • フロントスプロケット歯数変更:15丁 ⇒ 14丁
  • リアスプロケット歯数変更:47丁 ⇒ 49丁

これは、筑波サーキットのストレートは一番長いバックストレッチでも437mと短いので、最高速を多少犠牲にしても加速性能をupさせる。という事に偏った仕様です。

筑波サーキットコース図

簡単に言っちゃえば“ゼロヨンマシンをつくる”と言う感じです。

また、各コーナー手前で短いブレーキング時間で確実に減速させ、マシンの向きを変えたら即アクセルを開ける。
なおかつ旋回速度を上げる等々、そんな考えでの中での選択です。

チョット困ったブレーキ周り

この仕様に仕上げるまでにも、いくつかのハードルがありました。

フロントサス、スプロケは汎用品で手に入りますが、今回一番困ったのがブレーキキャリパーの選択とそのキャリパーを固定するのに必要なキャリパーサポートの入手です。
ノーマルキャリパーと4POTキャリパーとのブレーキディスクまでのピッチの違いを埋める部品)

いやぁ・・・探して探しても無くて・・・マジで寸法測って作っちまうか?とまで思っていました。

フロントブレーキ周り

神は見捨てなかった

しかし、ある日、ネットで情報収集していると、気になる情報を見つけました!

「SV400SにホンダCB400SFの4POTキャリパー装着」という記事。

しかも親切にそのキャリパーサポートの品番まで記載あり!!

よし!これでキャリパーサポートはok。
あとはブレーキキャリパーを探す・・・って。ん?待てよ・・・

CB400SFの純正キャリパーの品番をパーツリストで調べると・・・

あった!持ってた!!
OHが必要だけど作業場に眠ってた。

OHに必要な部品を発注し早速OHを実施

そして装着。

なんか(ブレーキレバーを握った感触が)ソフトで良いタッチだわこれ!!
野ゴリの欲しがってた感触に近いはず。
野生のゴリラ。ココではHさんのこと)

路面、天候の条件が良ければ、この仕様だけでも5秒フラットくらいまでは行ける・・・かな?

ごめん野ゴリ。
野生のゴリラ。ココではHさんのこと)
今回はここまでつくるので精いっぱい。
燃調は第2戦までになんとか・・・

また動画載せちゃいます

前回の記事にも掲載しましたのですが、最後に今回の

2024年筑波ロードレース選手権 第1戦出場の発信(ブログ記事作成)に対するオープニング動画

を載せておきます。

これは、当ブログの編集を手伝ってくれているNさんが作ってくれた動画です。

今回の

2024年筑波ロードレース選手権 第1戦 に対する発信の(「これから第1戦の事を発信するよー」という事をお知らせする)オープニング

という位置づけのものです。

本当は、動画で楽しく素敵に第1戦の全てを発信できればいいのですが、それを仕上げる為の撮影などの準備もできていなかった…という事も含めて、サーキットでイロイロ撮影しながらテンションの上がってしまった勢いでNさんが編集してくれたものです。

このYouTube動画のタイトルにも一応、記してあるのですが、

“勝手に”オープニング

と(笑)

ちなみに、嬉しい事に、(バイク便ライダー)ロースさんがこの「“勝手に”オープニング」の動画を観てくださっていて、先日、筑波サーキットでHさんと会った時に

「動画観たよー。で、本編は?

と言われたそうです!

ごめんなさい。今のハツミモータースでは、オープニングが精一杯です。

89_しくしく泣く

動画制作できる余力が出来たら対応はしたいのですが。

というか、それくらいの余力が持てるように頑張ります!

30秒ほどの動画ですが、トラブルもなく無事に第1戦を完走できたHさんとハツミモータース。
この動画を観て、少しでもブログを読んでくださってる方に興味を持って頂ければ、テンションが上がって頂ければ幸いです。

よろしければご覧ください。

バイク便ライダーロースさんは、YouTubeで様々なバイクのコンテンツを発信されている方で、とても面白いコンテンツで盛りだくさん。楽しく視聴できるコンテンツでオススメです。
リンクも設置しておきますので、ご覧下さい。