『さて。ばらしてみっか!』です。
※マシンの販売だけでなく、カウリング補修/ブラスト処理も承ります。
前回までのあらすじ
SV650Sのトラブルは、全てバラした事により原因を突き止めたものの、古いマシンがゆえにパーツの入手に不安がよぎる。
そんな中、家内の入院、私のコロナ感染など、幾多の困難が襲いかかる!
果たしてHさんの筑波選手権出場に間に合うのか?
届いたクランク
クランクもヒロチー商事さんの丁寧な対応のおかげで無事到着です。
サービスマニュアルにはコンロッドと、クランクに刻まれた刻印での組み合わせ表によるコンロッドメタルの該当番号が記載されていますが、念のため確認を実施します。
左側が新品のクランクで赤枠の部分に刻印がされています・・・が、
手持ちのサービスマニュアルには1~3番までしか記載されていませんが、刻印は8番!!
『へ????ははは8番???嘘ぉ~ん!!・・・』
通常、同型金型を更新作成する場合は
1、2、3番の次が、4、5、6番となり、
7、8、9番と続くはずなのですが、そういった規則性が、このクランクにあてはまるとは断言できません。
こうなったら実測あるのみ。
マイクロゲージでクランクシャフトの寸法(黄色の軸の直径)を測り、適合するメタルを選び合わせます。
刻印2の外径と一致しました。偶然??
『良かった・・・念のためメタル3種類頼んどいて!!』
求められる精度
そして※プラスチゲージを使いクリアランス計測(ここは1/1,000ミリ単位なんです。)をします。
※プラスチゲージとは下記の写真(赤の矢印)のブラスチックの細い棒(直径わずか0.38mm)です。
使用方法はクランクシャフトとコンロッドメタルの間に挟み、
コンロッドを規定トルクで組付けます。
するとプラスチゲージが潰れます。
プラスチゲージの潰れた幅(赤い⇔)でクリアランスを測ります。
袋にその幅のクリアランスが記載しており、それと合致したクリアランスが確保されている。
…と言う仕組みになっているんです。
(写真の場合、0.038mmのクリアランスが確保されているという事)
ただ、このクリアランスの確認後、潰れたプラスチゲージを拭き取るのが結構大変(プラスチックがへばりついてるので)で神経を使います。
残っているとメタルのオイル塗膜の邪魔をしますので・・・
良し!メタル選択も合格。
クリアランスもOK!!
組み上げ開始!
さ~てと。
この後の組み上げは基本的にばらした順番を逆にして実施します。
途中でクリアランスなどを測ったり、規定トルクでボルトを締めて行きながらになります。
そうしないと簡単にオイル漏れや水漏れ、または焼き付き等を起こしちゃうんです。
部品同士のクリアランスは1/100mm単位です。
シックネスゲージを使います。
また、ボルトなどの締め付けトルクは各所毎に指定があるのでトルクレンチを使います。
シネックスゲージ
薄い金属の板が何種類も付いていて隙間に差し込む事でクリアランスを計測(確認)します。
トルクレンチ
設定したトルクになると音が出ます。上の方はデジタルで結構楽ですよ。
正回り、逆回り両方使えるものなので重宝してます。
正回り、逆回り両方使えるものは、結構良い値段なんです・・・(泣)
エンジンの組み立て完了!
よし!! エンジンの組立てが完了しました。
そしてエンジンをフレームに組付けしました。
振り返れば青ゴリラ
しかし。ここである事件が起きます。
Hさん。
水温計は『自分で取付行けます!』とのことなので、私はHさんに取付をお願いし空燃比系等の設置のため配線図の確認をしていました・・・すると・・・
Hさんが・・・
『ハツミさん。大変なことが起きました。』
…と、言ったように聞こえました・・・(最近耳も遠くて・・・泣)
私:『え?どうしたの?』っと、な~んか嫌な予感がしながら後ろを向くと
呆然とした野ゴリの顔が青ざめています・・・
いや失礼。呆然としたHさんの顔が青ざめています・・・
長くなるので…
・・・チョット引っ張ります。
さて、どうしてくれようかね・・・ゴリ