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さて。バラしてみっか!

GT380奮闘日記

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埼玉県久喜市の2輪中古買取販売《ハツミモータース》がお送りする、仕事だけではない、2スト大好きおじさんのブログ
『さて。ばらしてみっか!』です。
※マシンの販売だけでなく、カウリング補修/ブラスト処理も承ります。

少し紹介したGT380なんですが・・・

以前、RD250治療ブログの時に少し紹介したGT380なんですが・・・

キャブのOHは完了しました・・・

まずはとにかくキャブをOHしてエンジンがかかるようにして欲しい!!

との依頼のためキャブを早速組付けてエンジンをかけてみます。
とりあえずチョークを引いて・・・キック1発、2発、3発・・・・・10発めで私の脚がつったので小休止・・・

kansetsutsuu_hiza-2
しくしく無く男性(イラスト)

つった脚の回復待ちの間、解説

ここで注意なんですが、このような長期不動車の場合(このGT380は2年くらいとか言ってたかな?)は、

  • プラグホールから2STオイルを入れる。
    (本当はヘッドを開けてシリンダーとピストンにオイルを満遍なく塗ったほうが良いです)
  • GT380のようにクランクケースに未燃焼ガス排出用のドレンボルト

がある場合は、そこを一度開けてください。
コックをONにしたままの場合、キャブレターのオーバーフローでガソリンが1次圧縮室に溜まっていたり、水冷の場合、冷却液が溜まっていたり・・・なんて事があるのです。

そのままキックしたりすると大惨事になります。俗にいうウォーターハンマー現象です。

青ざめた男性(イラスト)

簡単に言っちゃうと空気は圧縮されると縮みますが、液体は縮みません。
その圧力でピストン割れやシール破損などを起こします。

あと、オイルポンプも動いていない可能性が有るので、混合ガソリンをつかってくださいね。

つった脚、回復

さて話を戻して・・・

10発蹴り込んだにもかかわらず、エンジン始動せず・・・『う~ん・・・』

はてな?

まあ、1973式だともう50年以上前・・・まあそう簡単にはいかないよね・・・

再度挑戦!ようやく再開後のキック4発目にてやっとエンジンがかかりました。

まあ、そのあと都合3回目の始動でやっと回わせ始めたのですが・・・
回転はまったく安定せず、更に1番シリンダーは全く爆発していません。

やれやれ_男性(イラスト)

う~ん・・・ちょっとエアクリーナーを見てみっか!!

『おふっ!!』完全い劣化しくずれています。

白目になった男性のイラスト。

せっかくキャブきれいにしたのに~!!!!また掃除やん・・・

これ・・・たぶん2年くらいじゃきかないな。5年くらい不動だったな・・・
しかも異音が出てる。オイル漏れも酷い・・・

短時間で直径50mm程のオイル垂れが・・・こういうのはすぐ拭き取りましょう。

電装系チェック

まあ、まずは腰上腰下に電装系のチェック&治療ですね。

電装系はイグニッションコイルとプラグコードの抵抗値は正常範囲内でした。

続いてポイントとコンデンサー・・・あぁ・・・ポイントの電極摩耗&コンデンサー劣化ですね。

プラグの火花がかなり弱いです。ここはオール交換ですね。

下の写真は古いコンデンサーとポイントです。良く見ると電極とポイントヒールが減っています。減ったままで点火時期調整しても直ぐにまた調子悪くなっちゃいますので。
走行距離6万Km・・・これたぶんずっと未交換のままだったよね・・・

こちらは交換後の写真です。

余談ですが、ポイント式の点火時期調整って結構時間はかかりますが、なかなか楽しいんもんなんですよ!(笑)

3発とかだと、こっちが決まるとあっちがズレる・・・なんて具合にすぐ負のスパイラルに陥ります。
そんな時はもう・・・『うへへへ・・・』たまらんのです!! ま、ドMの方にはうってつけって事です!!(笑)

こういう作業の時はエンジンを下して台に載せてやるのですが・・・まあ、台と言ってもビールケースですが。
またこれがちょうどよい高さでありがたいんですよ・・・

これは組上げ後、点火時期調整中の写真です。

まあ、いつもこんな感じに作業しています。

ビールケースの下は親父の形見のアルミの釣り台です。へら釣りやってたんですよ。うちの親父!
いろいろな道具が残ってたので、あいがたく拝借させていただいてます!『親父。感謝!!』

そのアルミ台の上にビールケースを載せて、かさ増しして高さ調整しているんですよ。

最近、さらにお腹が出ちゃったので、かがんでの作業はマジで地獄なんです・・・息が吸えねえ・・・

窒息
しくしく無く男性(イラスト)

エンジンのバラシ スタート

さて余談はさておきバラシていきましよう!!

ヘッドカバーを外すと、ピストンが1.0mmのオーバーサイズになっています。
ってことは、以前焼き付いたか?もしくは何らかの不具合を起こしたと言う事。

ちょっと不安がよぎります・・・

とりあえずシリンダーは無事のようです。クロスハッチもしっかり残っていますね・・・
あぁ・・・1次圧縮室に傷が有るので、ピストン割れ??(ウォーターハンマー等)を起こしシリンダーをボーリングしたようです。

おっとっと・・・クランクが・・・

これ、ウォーターハンマーの影響でしょうね・・・1番のコンロッドが曲がっています。
たぶんシリンダーをボーリングしてピストンとピストンリングのみ交換したんでしょうね。

クランクはノーチェックだった?のかな・・・バイク屋さんの作業じゃないよね。きっと・・・

シリンダーに大きな傷が無かったのはホントにラッキーでした。

良く確認すると2番のコンロッドも若干曲がっています。でもこれなら異音がするのも納得です。

さすがにこれはクランクをOHしなくてはなりませんので、さっそく業者さんにお願いしました。

っでOH済みのクランクが下記になります。

リメイク品とはいえ、コンロッドなどの部品が出るのはありがたいですね!!

う~ん・・・念のためギア周りも確認しましょう!

ギア自体に欠けなどは有りませんが、ちょっとシフトフォークの動きが悪いですね・・・

シフトフォークガイドが段付き摩耗しています。ここは経年での摩耗ですね・・・

この部品は廃版なので段になった部分をサンドペーパーで慣らしてあげます。

それでも駄目だった場合は、最悪近似値寸法のパイプから作りますけどね・・・(笑)(笑)

さて、各部品のチェック、修正も完了しクランクケースが組みあがりました。

負圧が弱い…

もとのピストンはあたり傷が有るのでそっくり交換し、新しいピストンとピストンリングを組み込みます。

そしてクランクを回して負圧と圧縮の確認をするのですが・・・

圧縮は良いけど、なんか1番と2番の負圧が弱い・・・まじか・・・

ため息をつく男性(イラスト)

そんなわけで、ちょっ~っと1次圧縮室の気密試験をしてみます。

2STって圧縮ももちろん大事なのですが、負圧はかなり大事です。
今回シールは新品なのですが・・・何故・・・

試験では1番だけ塞いだり、2番だけ塞いだり・・・いろいろと・・・
圧をかけてみると・・・あ、やっぱ漏れてる・・・微小だけど・・・

簡単に書いてますが、実はこの間4回クランクケースを開けています・・・

毎回クランクケース用の液体ガスケットを綺麗に取って脱脂して・・・って、かなりこたえます・・・

さすがに3回目の気密試験で漏れたときは

ネクロマンサー

『ターン・アンデッド!!』と叫びました!!
すみません。休憩中に観てた異世界物語のアニメが面白かったのでついつい・・・(笑)
この素晴らしい世界に祝福を!』ってアニメですが、いやあ・・・マジで腹抱えて笑いました!!(笑)
あ、ちなみに私は決してアニオタではありませんお間違いの無いように。

どっちかと言えば銃器系好きのミリオタです。あの冷たい鋼色の機能美は・・・たまりません!!

兵隊

原因解明

あぁ・・・ま~た脱線してしまいましたね(笑)話を戻しましょう!

漏れの原因は・・・なんとクランクケースのシールの受け部の肌荒れでした。
そんなの肉眼で見えるかぁ~!ただでさえ老眼なのに!!

怒り爆発した男性のイラスト

やっぱ人間の指の感覚って凄いですね。ちょっとした違和感があって気づけました。
これ気づかなかったら迷宮入りしてたかも・・・怖ぁ・・・

シール受けの部分を1000番のサンドペーパーで慣らしてあげると、微小漏れは無くなりました。

ちょっとでもシール位置がズレたり、シール受け面が荒れていると簡単にリークを起こしてしまいます。

経年でケースの歪みとかもあるんでしょうけどね・・・あぁ・・・ホント長かった・・・

エンジン始動の前に…

疲れてげっそりしている男性保育士(イラスト)

さあ、エンジンをフレームに積んで・・・エンジン始動・・・の前に。

なんかちょっと気になったのでマグネトーロータのブラシの部分のチェックをします。

ブラシが摩耗しまくってるし、配線が伸びきって切れちゃってるし・・・

ここはブラシの交換です。純正品は無いので汎用品を買って削って形状を合わせます。

比べると一目瞭然。よくここまで使いましたね・・・(笑)(笑)

さて、エンジン始動です。
ポイントギャップや、点火時期はエンジン始動前に調整済みですが、エンジン始動後にタイミングライトを使って点火タイミングを再度調整して完了です。

完成!ところで「湘爆」知ってますか?

完成です。う~ん・・・渋い!!湘南爆走族の桜井君の愛車・・・
って言っても今の若い子は知らないか・・・

ネットで画像を見つけたので貼っておきます。
画像に掲載元へのリンクを設置したので、気になる方はクリックしてみてください。

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さてエンジン始動!!

動画ではエンジンが温まってからの始動なのですが、キック1発でかかります。
冷間時もチョークを引けば1発でかかりました。10回蹴っ飛ばしたのが噓のようです!!(笑)

灯火系もチェック済みです。
光軸だけテスター屋さんで見てもらえれば車検もokでしょう!

今回のGT380は栃木県小山市にあるRide Worksさんからの依頼で治療しました。

近々で販売されると思いますので気になる方は問い合わせしてみてください!!

 

今回のGT380のように古いバイクは修理に結構手がかかったりしますが、仕組みが単純であるため理詰めで攻めて行けば必ず復活します。

1つずつ順を追って不具合に繋がる原因を潰していけば必ずゴールが見えますので。
今、トラブルを抱えて修理している方に、ちょっとでも希望が持てれば幸いです!