BLOG
さて。バラしてみっか!

SV650S 2023年筑波ロードレース選手権第4戦出場編4/4

つかみアイコン
アセット 5@4x
埼玉県久喜市の2輪中古買取販売《ハツミモータース》がお送りする、仕事だけではない、2スト大好きおじさんのブログ
『さて。ばらしてみっか!』です。
※マシンの販売だけでなく、カウリング補修/ブラスト処理も承ります。

前回までのあらすじ

2度のクラッシュで大破したHさんのSV650S。
今後レースに出場するにあたり、マシンは新たに購入せず、修理して挑む事に。
そして、今回のクラッシュを踏まえ、
Hさんと新しい約束を取り交わし、マシンは復活の為の修理へ。
コースに復帰出来たHさんは、好調にタイムを刻んでいくのでした。

復活のゴリラ

ライダーのHさんとマシン(SV650S)は見事に復活!
2023年の最終戦となる筑波選手権第4戦に待ちに待った出場となります。

前日の練習走行でも1分6秒前半がでており、マシンにもトラブルは起きていないようです。

これなら安心です。良かった。念願がかなったね。Hさん!

ブース
ピット

私はYouTubeで観戦

当日、私は所用のため、作業場でライブ観戦です。

筑波サーキットは、レースのライブ映像がYouTubeで配信されています。

私は、『とにかく無事に完走してほしい。』
…と祈る、ただそれだけです。

走行前車検も無事通過し、いよいよ予選スタートです

走行前車検
予選前

ページ下部に、今回の記事に記載されている
「2023 筑波ロードレース選手権シリーズ第4戦」
の筑波サーキット公式YouTubeチャンネルのコンテンツを掲載しておきます。

4週目に赤旗中断…

ライブ配信も始まり、予選がスタートしました・・・が、4週目に赤旗中断です。

赤旗中断とはコース上で転倒や事故により危険な状態が発生した場合においてセッションの中断やレースの中止を示し、各ポスト上で赤色の旗が振られというものです。
この「赤旗」が振られた場合、各車両は速やかにピットに戻ります。

詳しくはこちらをご覧ください:レース旗 – Wikipedia

最終コーナーで2台が接触転倒とのことですが、Hさんではないようです。
赤旗ですのでいったん全車両がピットに戻ります。

PマークのままのHさん

12号車(Hさん):現時点でPマーク

タイム 1:08:747

Pマークはこの車両は現在ピットに居ますよ。という意味を表します。

『うん。3週目で8秒台か。タイムアタックはこれからだな・・・にしても8秒台??

という違和感は感じていました。

そして予選が再スタート。各車がコースを走り始めるのがライブ画面で確認できます。

…が、いつになってもHさんの12号車が「P」のままです。

そこで『え?やっぱりマシンに何か起きたな!』と思いました。

ライブ映像のピットの状況が一瞬みえました。
車両から降り、なにやら話をしています。

しかしこのまま時間は過ぎゆき、予選の15分間のタイムアタックは終了となりました。

そして、すぐにHさんから連絡が来ました。

カラカラ音がしています

Hさん:『ギアは入るけど、加速しません。それとクランクケースの中でカラカラ音がしています。』

『タペット音のカチカチじゃなくてクランクケースでカラカラね?』

Hさん:『そうです。昨日まで何とも無かったんです!このまま決勝出られますか?』

その時、現場にいてあげられたら・・・と後悔しました。

クランクケースからカラカラと音が…
  • クランクケース内の異音 → おそらくどこかのギアの破損か?
  • ギアが入るが加速しない → クラッチ等の異常か?


この時、私はとっても悩みました。
『Hさん。せっかく出場できたのに・・・』と・・・

『こんな時オイル交換すればドレンから破片は出てくるかもしれない・・・
ただ、出てくる保証もないし、かもしれない?なんて半端な考えを持っちゃいけない・・・』

既に重症なのかもしれませんし、そうでなくてもこれから重症化するかもしれません。

それに、もしギヤ欠けだとしたらその異物がギヤに挟まり、急激にマシンがストップしたりしたら後続車を巻き込みます。

実際に予選中の赤旗エンジンが焼き付きを起こし、急停止した車両に後続車両が避け切れず突っ込んだようです。

しかも優勝候補のマシン。

そして私は苦渋の決断を下しました。

無念のリタイア

:『今のままじゃ原因が分からないし、ギア系だとしたら噛み込みを起こしたら危険すぎる。
残念だけど今回決勝はリタイヤしよう・・・』

Hさん:『・・・分かりました・・・そうします・・・』

ホントに残念ですが、初出場の結果は決勝リタイヤ(出走せず)となりました。

ホントに悔しかったです・・・

『なぜ練習走行中ではなく今なんだ?昨日まで異常はなかったのに・・・』

でもHさんは、もっと悔しいはず・・・俺は良い歳して涙が止まりませんでした。(現場にいなくてよかったのかも・・・嗚咽しながら泣いてたから・・・)

でも。『しっかり修復して来年リベンジだ!!』と気持ちを切り替えます。

Hさん。お世話になった皆さんの後片付けを一緒にして、作業場に帰ってきました。

そして第一声 『すみません。マシン壊しちゃいました!!』っと・・・

あやうくまた泣いちゃうとこでした・・・

:『仕方ないよ。レースやってりゃこんなのマイナートラブルだよ。日常茶飯事!
   俺も自分で出てた時何度も経験してる!だから。しっかり治してあげよう!』

そしてちょっとだけエンジンをかけてもらいます。
すると始動などは問題ありません。

聴診器を当てると、かすかに音が…

『ん?回転が低いのか異音聞こえないな・・・』そこで聴診器をクランクケースに当てます。

すると確かに何かが当たっている音が・・・

『ん?でも金属片が当たる音じゃ無い様な・・・?
ケース内で反響しちゃって今時点では特定できないや・・・』

クランクケース内部の安全のため、すぐにエンジンを止めてもらいそのまま預かります。

とにかく開けてみなきゃ分からんね・・・こりゃ・・・

呑みましょ!

その日の夜は前々からFさんとHさんと3人で祝勝会(完走祝い)でも反省会(リタイヤ、転倒)でも出場記念に呑みましょう!
っと話していました。

私とFさんが、いつものお店(ブログの師匠の実家)に先に到着。

Fさん:『Hチャン。きっと落ち込んでるんちゃう?どうやって慰めたろか?』

:『ですよね・・・今日は元気付けてあげないとですよね!』

そこにHさん少し遅れて登場・・・『遅れてすみません。さ、呑みましょう!!(笑)』
っと元気です。
あれ?予想に反し・・・元気なの??

ワイワイと話も大盛り上がりで酒も進む中、Hさんがトイレに・・・そしてFさんと私。

Fさん:『なんやHちゃん元気やん!元気付ける必要あらへんやん!しょーもな!』

:『ですよね。やっぱ野ゴリラだ!!さすが野生のメンタル!!』

俺の涙返せ。野ゴリラぁ~!
でも元気でよかった!!(笑)

『心配して損したやっぱゴリラだ!!』と、Fさんと二人で大笑いです!

今回、筑波選手権初出場において、いろいろな方にたくさんお世話になりました。
本当にありがとうございました。しっかり治して2024年に再出場します!

さ~て。
こらホント困った・・・
本気でどうしたもんかね・・・?

YouTube で見よう!

下記のYouTubeコンテンツは、
筑波サーキット公式YouTubeチャンネル、
TsukubaCircuit Channel

「2023 筑波ロードレース選手権シリーズ第4戦」です。
※Hさん参戦の TC400 の予選は 5:55 からです。