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さて。バラしてみっか!

SV650S 2023年筑波ロードレース選手権 第4戦出場編 2/4

サーキットでコケたHさん
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埼玉県久喜市の2輪中古買取販売《ハツミモータース》がお送りする、仕事だけではない、2スト大好きおじさんのブログ
『さて。ばらしてみっか!』です。
※マシンの販売だけでなく、カウリング補修/ブラスト処理も承ります。

前回までのあらすじ

スズキ SV400 でサーキット走行を楽しんでいた友人のHさん、熱い走りをした結果、エンジンを回しすぎてエンジンブロー!
エンジンの修理を請け負ってすぐ、Hさんから1本の電話が。
「レース用に SV650S を購入した」との事。
Hさんと
「マシンの整備は2人で一緒にやる」
というルールを決め、マシンをレース用に仕上げていくことに…

SV650S、レースに向けて

SV650S
納車直後のSV650S

以前掲載させていただいたように、この SV650S は逆車フルパワー車です。
うちに来たときは、ヨシムラチタンマフラーがついているだけのノーマルでした。

この車両を筑波選手権のレギュレーションに合わせるように作っていきます。
※レース用の法規/規則 カテゴリー/クラス別で異なります

もっとも吸排気系については、まだまだこれからです。
いろいろと部品やデータも必要ですし、吸排気系に手を加えて行くのは、来期(2024年の選手権の3戦か4戦あたり)になりそうです。

基本的な車体の改造

  • パーツは SV400 のものをほぼ流用
  • 各種保安部品(ミラー、ライト、ウインカー、テールランプ)を外す
  • フロントカウルのステーは必要な部分を残し、切断

カウル類、シートレールの取付は SV400 のものを流用するのでそれほど時間はかかりませんでした。
手前が SV400 です。

SV400とSV650S
手前が SV400

とはいえこの時は、まだサラリーマン時代でしたから、土日作業のみで3週間ほどかかりました。

あとはドレンキャッチタンクなどサーキット走行に必要なものを取付けていきます。

必要なパーツも付け終わり、取り急ぎは完成です。
(この時は本人の希望でサイレンサーだけ替えてみましたが、のちに戻します)

さあ、これからは走り込みあるのみですね!!

SV650Sレース仕様
レース出場マシンの完成!

筑波サーキットでの走り込み

マシンの整備も終わり、フェーズは筑波サーキットでの走り込みへ…。

もともとの車両自体も非常に調子良く、本人も新しいマシンに慣れてきたのでしょう。
どんどん走破タイムが上がっていきます。

筑波サーキットにはコース2000(2輪:2,070m)とコース1000(2輪:952m)があります。
Hさんは、時間を惜しむかのように、その両方のコースで走っていました。

TC400出場が目標なので、もちろんコース2000が主戦場です。

ただ、当時はとにかく走る回数を多くしたい(勘戻し)ためタイヤの逆履きをしてたんですね・・・
筑波コース2000は右回りのため、タイヤの右側サイドばかりが減っていくんです。
それを勿体ないので裏返しにして履くのが逆履きと言います。

2023年2月4日それは起きた…

サーキットでコケたHさん

コース2000の第1ヘアピンで転倒です。

サーキットでコケるHさん(写真2枚並び)

転倒です

サーキットでコケるHさん(写真3枚並び+ネッシー)

転倒ですってば!あれ?何か違うのが…

左側の減ったタイヤ低かった気温が原因です。

右コーナーが多いと、必然的にタイヤの左側の摩擦が少なく左側のタイヤ温度だけが走行中にだんだん低くなっていっちゃうんです。
そうなると、左コーナーでタイヤが路面をグリップしづらくなるんです。

そうなんです。第1ヘアピンは、魔の左コーナーなんです。

筑波サーキットイラストマップ(2000)
筑波サーキット「コース2000」第1ヘアピン

まるで野生のゴリラ

ただ、このとき幸いにもマシンは軽傷でした。(カウルの一部が傷付いたくらい)
本人も全く怪我など無く、素早くマシンに駆け寄り再スタートしました。


『まるで野生のゴリラみたいに4足歩行でマシンに駆け寄りよって、えらい俊敏やったで!』

右向きのゴリラ(イラスト)
しかも俊敏!

と、同行したGSX-R1000ライダー、Fさんの後日談です。

 野ゴリラ・・・
 確かに・・・(笑)

笑いをこらえる男性(イラスト)

後日、私の実家のガレージにマシンを持ちこみ確認です。

確かにちょっとあちこち傷が付いてるくらいかな・・・良かった・・・

エアブローしたら小石やらホコリやら芝やら、いっぱい出てきたくらいでした・・・

虫眼鏡で粗探しする男性(イラスト)

『まずタイヤを交換しなきゃね!』などとさん、Hさんと談笑しながらタイヤ交換終了。
各部の傷や割れ、動き、ボルト類も全て確認しました。

『よし、問題ないです。』

OKの手(イラスト)

HさんとFさん。それから2か月の間、月に4~6本のペースで走り込みに行ってました。

その間、しばらく私の実家ガレージでの作業はできませんでした。

私の前職の業務柄、2月中盤から4月初旬まで、その年の中で一番忙しい時期であり、いろいろ用事も重なっていたのです。

2023年4月9日それは起きた…

忙しかった仕事がひと段落し、燃え尽き症候群中の私は、とある用事で実家にいました。

燃え尽きた男性(イラスト)

LINE
「Hさんが
コース1000
S字コーナーで
※スポンジバリアに突っ込んだ」
との一報が入ります。

ビックリ!(目が飛び出る)

※コース外に設置してある、マシンがコース外に飛び出した際の緩衝材です。

筑波サーキットイラストマップ(1000)
筑波サーキット「コース1000」のS字コーナー
筑波サーキットのスポンジバリア
スポンジバリア

Hさんより、クラッシュ直前のオンボードカメラからの画像をもらいました。

スピードは 110Km/h 以上、クラッシュ直前までフルスロットルだった様です…。
(後日談ですが、タイヤが減っていたから加減していただけで、まだスピード出せたそうです…)

その後本人から連絡あり。
『骨折等はないが、肋骨にひびが入っている可能性あり。』

しかし、マシンは大破のようです。スポンジバリアに突っ込みなかなか引き出せなかった様です。

まずは大きな怪我がなくて良かった・・・

ホッと胸をなで下ろす男性(イラスト)
クラッシュした直後のHさん
スポンジバリアからの引出し
クラッシュ後バイクごと搬送されるHさん
ドナドナ(回収車に載せて移動)
クラッシュしたSV650S
タンクべっこり、シートステー曲がり、各カウル破損
クラッシュしたSV650S(ハンドル周り)
ブレーキオイルリザーバー脱落
クラッシュしたSV650Sと痛みをこらえるHさん
あぁ痛そう・・・

Hさん、肋骨痛いのに当日夕刻うちにきて車両状態の確認してほしいとのこと。

確認状況

本人

コース1000の医務室にて診察済みの報告。
骨折はなく打撲のみとのこと。
ただ、肋骨あたりが少々痛いらしいが、ホントに軽傷。
良かった・・・(やっぱゴリラだな)

左向きのゴリラ(イラスト)

SV650S

  • アッパーカウル、アンダーカウル、シングルシートとも大きく破損(交換必須)
  • 燃料タンク凹み大(交換必須)
  • シートステー曲がり(交換必須)
  • フロントブレーキオイルリザーバータンク破損、ステップ両側破損(交換必須)
クラッシュしたSV650Sタンク部
クラッシュしたSV650Sリアビュー

幸いステム、フロントフォーク、メインフレーム、スイングアーム等に歪みはありませんでした。

途中でバイクが回転し、タンク側からバリアに突っ込んだおかげです。

さすが野ゴリラ、野生であるが故に強運の持ち主だ・・・

口を隠して笑う男性(イラスト)

ま、どっちにしてもうち(実家のガレージ)でしばらく預かりだな・・・

ただなぁ・・・預かったものの・・・

 

さ~てマジでどうしたもんかね?・・・

どうしたもんかね「つづく」

画像引用元

以下より、画像を引用させていただきました。

【コース図(イラスト)】
筑波サーキット様サイトより
https://www.tsukuba-circuit.jp/guide/guidemap.html