『さて。ばらしてみっか!』です。
※マシンの販売だけでなく、カウリング補修/ブラスト処理も承ります。
前回までのあらすじ
筑波ロードレース選手権の第3戦は、前日の※特スポ走行でコースアウトというトラブルがあったものの、無事完走。
ホッと旨をなで下ろしました。
さぁ今シーズン最後の第4戦に向けて整備です!
(※特別スポーツ走行枠:レース前日に出場者のみ予約できる走行枠)
第4戦へ向けて…
2024年の最終戦となる第4戦。
Hさんは仕事の都合で9/27(金)の※特スポは走ることができないので、
9/26(木)の練習走行枠を最終調整日としていました。
(※特別スポーツ走行枠:レース前日に出場者のみ予約できる走行枠)
そんな中、9/21(土)にブレーキパッドの交換、タイヤ交換、最終確認等々を実施します。
作業時間の関係上、Hさんはタイヤ交換。私はブレーキキャリパーの洗浄とパッド交換を行います。
『さてと、キャリパーの洗浄/ピストン揉みだしも含め、1時間くらいで完了するかな・・・』
なんて思っていたのですが、前回お話ししたように既にトラブルと言うフラグは立っていたのです・・・
左側のキャリパーのパッドピンを外すとき、既に違和感はありました・・・
パッドピンとはブレーキキャリパーの部品の中でブレーキパッドの位置決め、またブレーキパッドの動きを補助する役割を担っています。
下記写真は4POTキャリパーを分解したものです。
キャリパー内、外の赤丸部分にパッドピンを差込み、ブレーキパッド位置を固定し、ピンキャップで抜けを防止します。
ここまで記載するともうお分かりかと思うのですが・・・そう。
パッドピンが抜けなかったのです。
左側のキャリパーのパッドピンを緩める際に、やたら固くて『パキッ!!』っという音がしてやっと緩んだのです・・・この固さが違和感の正体です。
しかも右側のキャリパーのパッドピンは緩まず・・・
更に劣化??により6角の穴径が少し大きくなっています。
ここでHさんに聞いてみます。
野ゴリぃぃぃいいいいっ!
私:『Hさん。このパッドピンどのくらいの力で締め付けました?』
Hさん:『いやぁ・・・覚えてないです・・・どうしました?』
私:『全く緩まん・・・しかも舐めそう・・・』
Hさん:『えぇ~!!まじですか???』
私の心の声:『野ゴリぃ~!!!!覚えてないって、また野生のフルパワーで思いっきり締め付けやがったな~』
Hさん:『そんなに強く締めた気はしないんですが・・・』
私の心の声:『いやいやいや・・・あなたの力は常人のものじゃない&そもそも尋常じゃないんだから・・・』
『あ、でも前回パッド交換Hさんにやってもらったんだった・・・これ俺にも責任あるわ・・・』
でも頼むよホント・・・
まあ、ここは熱の加わる場所なので固着しやすいっちゃしやすいんですが、まさかここまでとは・・・
ちーん(1回目)
仕方ないので下記の写真のようなヘックスボルトリムーバーという工具を使ってみます。
これは、6角レンチの角が刃のようになっていて、舐めた面を刃が食い込んで回すもの。
これならいけるでしょ!
ボルトにセットしてハンマーで3回ほど叩き、回します。
ニュリュン・・・と言う嫌な感触とともに空回り・・・緩まずに刃でボルトの穴を削っただけ・・・
『おふっ!・・・』
ここで一旦作業停止しラスペネをで湿潤させ1日放置することにしました。
翌日、再度トライするも全く回らず・・・
せめてピンの頭だけでも出ててくれればバーナーで加熱急冷してやってみるのですが、凹穴の中・・・
ちーん(2回目)
マジで困った・・・
これはあまり使いたくなかったんだけど・・・現状ほぼ『詰み』だし使ってみるか・・・
正式な名前はわかりませんが、これもリムーバーです。
逆ネジの切ってあるドリルのような形のビットです。
セットして左に回していきます。
お?だんだんトルクがかかってきた!
良し、止まった。底着きしたな。じゃあここでグリっと!!
『パキッ!!』よし。回った!!って・・・あれ??
6角の穴に何か埋まってる・・・
『おふっ!・・・』
なんとビットが折れています。これ超硬だからもろいっちゃもろいけど・・・そんなに????
左が折れている方です。
『詰んだな・・・』
この後キャリパーを外し、反対側から穴あけもしましたが・・・残った超硬に当たりドリルもポッキリ・・・
『9割がた詰んだな・・・』
いつも選手権でサポートいただくKさんや、もと同僚のDさんも丁度作業場に来たのでお手伝いいただいたのですが・・・
結果としては上記のように全くもって歯が立たず。
Kさん:『Hちゃん、また馬鹿力で思いっきり締めたんだろ!(笑)』
ほ~ら。
皆がそう言ってるんだから今後は注意しないと・・・お願いしますよ!!(笑)
って言ってても先に進まないので、一旦ごちゃごちゃの頭を休憩させます。
代替案として同じキャリパーの中古部品を探してみます。
もちろん、穴あけの作業も進める同時進行で・・・